グローバル経営の極北

グローバル経営の極北

グローバル経営を考える「素材」を提供します

グローバル企業のマネージャーは「経営陣」である

僕が前職の米グローバル企業ではじめて管理職になった時に感じたのは、会社から期待されるステージが一つ上がったなということだった。もっと言うと、マネージャーになるということは経営陣の一人になる、ということだと感じた。 これには「外資系」にいる人…

noteでマガジン「デジタル時代の経営を読み解く」をはじめました

noteで定期購読のマガジンをはじめました!「デジタル時代の経営を読み解く」というタイトルで、デジタル化の進展で大きな影響を受ける「経営」について論じていきます。ブログ、ツイッターと連動する形で、そこでの話題や論点をさらに深掘りしていくことを…

サイボウズ「ちゃんと赤字になった」の背景とは?

サイボウズの直近の決算は「赤字」だった。青野社長の「ちゃんと赤字になった」というコメントの背景に触れたい。 重要なポイントは、クラウドのソフトウェア企業の多くは「赤字」決算を続けているということ。以下米の代表的なクラウドソフトウェアの企業の…

電通の海外&デジタル事業強化は着々と進行中

電通の新たな買収(カナダのデータ分析のコンサルティング会社)が発表されていた。電通は海外事業&デジタル事業強化に舵を切っている。 そこで、直近の中期経営計画を見てみる。 ◆中期経営計画 “Dentsu 2017 and Beyond” これまでの進捗と今後の展望http:/…

「ムーアの法則」後はどうなるか?- エコノミスト「コンピューティングの未来」

今週のエコノミストの巻頭記事は「コンピューティングの未来」について。いま起きている変化について簡潔にまとめられている。 ポイントはムーアの法則がいよいよあてはまらなくなってきたかも、という点。今後も演算能力の拡大は続くけれど、今までのような…

保育園問題をコンサル経営の視点から考える

こんな記事が話題になっていた。 自治体が株式会社の参入を渋る、という構図自体は大きな課題だが、コンサル事業の経営を見ている身からすると、保育事業は民間事業者の参入を促しても構造的に難しい側面を抱えているのではないかと感じている。 保育園の収…

レビューも見ずに転職するの?

レストランを探すときに食べログをはじめとしたレビューサイトを確認するのは既に日常になっているが、VorkersやGlassdoorといった従業員レビューのサイトも転職においてかなり「使える」ものになってきている。 転職の難しさは、事前に得られる情報が限定的…

データが導く新しい「人事」の姿

いま僕が在籍している米企業では毎年従業員サーベイを実施している。最近その結果を見ることができたのだけれど、とても興味深かった。外部ベンダーのクラウドのソフトウェアを使って、エンゲージメントの深さ、マネジメントの巧拙、企業戦略の周知、オフィ…

意思決定することは「仕事」です

この記事(なぜグローバル企業の経営陣は「定時退社」するのか?)はありがたいことに多くの人に読んでもらっており、PVは60,000を越えて、Facebookのシェアも5716までいった。 この記事で言いたかったことの一つが、「意思決定は仕事である」ということ。前…

海外事業のマネジメントに苦しむ日本企業

楽天が最新の決算で電子書籍のKoboをはじめとした海外事業の減損を行ったことが話題になっていた。 ネットでは、海外事業の苦戦を「英語公用語」化と結びつけて揶揄する人も多くいたけれど、当然ながらそれは本質的な部分ではない。 僕は楽天の事業領域には…

英語の「発音」が決定的に重要な理由

発音のコンプレックス 日本の英語教育ではあまり発音が重要視されない。ただ、英語を実際に使って話す上では発音がきわめて重要になってくる。僕も、発音をきちんと学生時代に習得できていなかったがゆえに、とてもとても苦労してきた。 まず、この記事で書…

「決められない」シャープの迷走を笑えない理由

シャープの経営が迷走している。産業革新機構による支援でほぼ決まりとなっていた状況から、鴻海が7,000億円と機構案を大きく上回る金額を提示し、一点鴻海案が有力と噂されている。こうした事態に対して多くの人がシャープの経営の「稚拙」さを指摘(揶揄)…

今週のおすすめ本 - 2/7-14 「企業価値経営」「我が逃走」他

まだ一週間遅れですが、、2/7-14のおすすめ本です。 企業価値経営 作者: マッキンゼー・アンド・カンパニー,ティム・コラー,リチャード・ドッブス,ビル・ヒューイット,本田桂子,鈴木一功 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2012/08/31 メディア: 単行…

リーダーシップとはなにかを教えてくれた部下のRさんのこと

僕がマネージャーとしてまだまだ未熟だった頃、人事担当役員からこんな言葉をもらった。 「私はメンバーを自分の子供だと思ってるのよ」 その役員は非常にアグレッシブで、推進力のある人だったので、この言葉を聞いて意外な印象を持った。そして正直「子供…

ぼくの就活について '00年ロッキング・オン社新卒採用応募書類

ありがたいことに多くの方にブログを読んで頂いていて嬉しい限り。少し箸休め的に僕の就活について。 巡り巡っていまはIT産業で働いているけれど、僕の就活の時の第一希望は出版社だった。その中でも第一希望だったのがロッキング・オン社。洋楽人気も落ち込…

アメリカのウォルマートで「虫けら」扱いされた留学時代のこと

その是非については色んな議論があるけれど、海外留学や海外長期滞在は若い頃に経験しておいたほうがいいと個人的には思う。なぜなら、自分の考えや地位は相対的なものに過ぎないんだ、というのを「骨身に沁みて」理解できるから。この体験は一つの国だけに…

なぜグローバル企業の経営陣は「定時退社」するのか? 

グローバル企業の経営陣の退社は早い。突発的な事態がなければ、定時の6時にはまず帰る。なので、遅い時間にミーティングが入ったりすると、露骨に不機嫌になったりする。これはなぜだろうか? 意思決定の質が落ちてしまう 一番大きな理由は、コンディション…

今週のおすすめ本 - 1/30~2/6 「132億円集めたビジネスプラン」「職場の人間科学」他

1/30~2/6にツイッターで紹介した本のまとめです。経営者本多めですが、やはりどれも面白いです。 132億円集めたビジネスプラン 熱意とロジックをいかに伝えるか 作者: 岩瀬大輔 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2011/11/25 メディア: Kindle版 この商品…

グローバルの新卒人気企業ランキングにみる、日本でのコンサルキャリア構築の難しさ

Universum Globalの「新卒」で働きたい会社ランキング(主要12カ国*1の合計20万人の学生対象)によると、Business分野の結果は以下のとおりになっている。Googleがやはり1位だが、2位 EY, 3位 PwC, 4位 KPMG, 5位 Deloitteと上位を会計系ファームが独占して…

総合商社マンKさんのこと。そして「商社冬の時代」は巡るのか?

Sさんのことについて書いたら、メーカーで海外営業をやっていた時のことを懐かしく思い出した。その頃の数少ない同世代で、楽しく一緒に仕事した総合商社のKさんについても書いてみたい。また、「総合商社の中の人」のトイアンナさんによるインタビューを読…

僕のメンターだったSさんのこと

僕のメンターだったおじさんの話をツイートしたら、結構反響があった。もう少し書いてみようと思う。その人はSさんとする。 僕が新卒で入社したのは創業100年を超える老舗のメーカーで、配属は新規事業の海外営業部だった。そこでメンターとしてついたのがS…

経営における「コミュ力」を考える

このツイートがかなりバズった。「コミュ障」という言葉を出したせいで、「死ね」みたいなリツイート貰ったり楽しいことになりましたが、そこは本意ではなく、、 ちなみに、「俺コミュ障だし」みたいな人多いけど、仕事でのコミュニケーションは、サークルや…

アメリカの法人税は日本より高い、はずなのに、、、

グローバル企業による「租税回避」が問題になっている。直近ではGoogleが2005年以降の税金滞納分1億3千万ポンドを追加納税することで英税務当局と合意した。少し前になるがスターバックスも同様の批判にさらされ、「自主的に」2000万ポンドを納税している。…

今週のおすすめ本 - 1/22~29 「最強の業務改革」「外国語学習の科学」「なぜ人と組織は変われないのか」「How Google Works」他

今週からTwitterで紹介した書籍を中心に毎週ブログでおすすめ本をまとめていきたいと思います。皆さんの備忘録的に使って頂ければ嬉しいです。 最強の業務改革―利益と競争力を確保し続ける統合的改革モデル 作者: A.T.カーニー,栗谷仁 出版社/メーカー: …

日本市場って重要なの?: 「外資系企業動向調査」を読み解く

日本における「外資系」企業の動向はなかなか掴みにくいけれど、面白い調査を見つけた。まずは帝国データバンクの「外資系企業動向調査」(概要:企業概要データベース「COSMOS2」に収録されている 144 万社のデータ を基に、外国資本が発行済み株式の 25%…

誰もが「自分」株式会社のオーナーである

人生を、自分の労働力を「商品」とする「事業」と捉えて、自分はその「自分」株式会社のオーナーであると考える。これで人生に対する捉え方はだいぶ変わってくる。この考えを持てるようになってから、個人的には不毛な悩みを抱えることがだいぶ減った。 持ち…

「伝統」の持つ合理性と面妖さ~おっさんをバカにするだけでは世の中変わらない

安倍政権の保守傾向に対する批判の意図もあり、最近こういった言説が主にリベラル系の論者から出てくる。 良記事.「伝統」のかなりの部分は高度成長期に形成されたものだし,さかのぼってもせいぜい明治までというケースが多い.30年前の都心駅の汚ささえ…

フルタイム2馬力がなかなか実現しない日本~世帯年収の引き上げをもっと意識すべきでは

こんなツイートをした。 世帯年収2000万、とまでいかなくても、家計の問題はフルタイム二馬力で大抵解決する。問題は、そうわかってても結婚したら仕事辞めたくなる、仕事で疲弊しすぎてる日本人、じゃないかと思ってきた。経営モデルの現代化の遅れと、死ぬ…

世界中の名門大学の講義を無料で受講できる素晴らしいCourseraの世界

Courseraは無料でアメリカをはじめとした世界中の有名大学の講義を受講できる素晴らしいサービス。いい講義を見つけると登録して、つまみ食い的に空いた時間に講義ビデオを見ている。どれも実際に大学で実施されている授業をもとにしているので、講義内容は…

「内発的動機」の強さがパフォーマンスを決める~ストレスといかに対峙するか

社会人経験を積めば、内発的動機の強さがパフォーマンスを決める、というのは誰もが気づくこと。学歴が高くても、この部分が弱いが故に、大事なところで逃げたり粘れずに成果が出せない人は多い。 なぜ内発的動機の形成が大事かといえば、なぜ仕事をするかな…

「IBMグローバル経営層スタディ」からの示唆~テクノロジーが変える現代の経営(1)

昨年11月に公開されたものだけれど、IBMが定期的に実施している経営者層へのインタビュー調査の2015年版についてのご紹介。2003年から実施されている調査で、過去はCEO Study, CFO Studyなど役割に応じた調査だった。2013年からは全ての経営者層(CEO, CFO, C…

日本企業で「グローバル経営」を学ぶチャンスとは

日本経済は依然として非常に規模が大きく、顧客の要望は厳しく競合との争いも熾烈。さらに教育水準も高く、人材の質は平均的に高い。ということで、日本企業に勤めることで、巨大な市場規模と洗練度を誇る日本市場での戦い方を学べる。もしくは、輸出が中心…

P&Gの社長交代からグローバル経営を考える

今日はこのP&G日本法人交代の記事について。 toyokeizai.net この記事自体は踏み込みが浅くあまり参考にならないけれど、このニュースからはIBMなどと同様に、米の伝統的大企業の苦戦の構造が透けて見える。 1. 既存のコア事業のライフサイクルは先進国では…

クラウドがもたらす法人向けビジネスの地殻変動

先日書いたブログ記事で、IBMがコンサルティング領域でひとり負けしていることを取り上げた。IBMは、高付加価値分野はアクセンチュア、デロイト、PwCに、価格勝負なところはタタ、インフォシスなどのインド勢に、両面から攻めこまれ苦戦している状況への解が…

きみが戦うのなら、きみは戦えばよい。きみが希望をいだくのなら、きみは希望をいだけばよい。

昔書いていたブログを読み返していて、これを見つけた。大学時代、古本屋でたまたま買ったヴィトゲンシュタインの「反哲学的断章」。奇妙にこんがらがった大学時代、この引用部分を幾度と無く読み返しながら、なんとか生き延びたことを覚えている。 ある人は…

「新卒以下のコンサル」がマネージャーになって思ったこと

日系メーカーから外資コンサルに転職した僕は簡単に言うと使えないコンサルで、そもそもPMの言っていることが分からなかったし、作った資料は「てにをは」から直されるし、お客さんからは怒鳴られるしと本当に悲惨な状況だった。で、そのままコンサルをお役…

【ネタバレ注意】「かくかくしかじか」が解毒する「自分さがし」という宿痾

(ネタバレ含むのでこれから作品読みたい方は気をつけて下さいね) 「東京タラレバ娘」を読んだらとても面白かったので、その勢いで「かくかくしかじか」も読んだ。これは素直に名作と思う。一番印象に残ったのは、アキコが「先生がいないと私達みんなダメな…

日本企業のグローバル経営移行へのヒント~武田薬品、日立製作所、JT

金曜の夜なので軽めにインタビューの紹介。武田薬品の長谷川会長、日立製作所の中西会長兼CEO、そしてJTの経営企画部長のインタビューは、日本企業がどうグローバル標準の経営モデルと向かい合うかの好例。「日本人」であることにこだわりすぎること、グロバ…

みんな大好きコンサルティング各社の業績を整理してみた

Twitterでもコンサル関連の話題は拡散しやすく、みな興味を持っていることがわかる。そこで、コンサルティング各社(IBM, Accenture, Deloitte, PwC, McKinsey, BCG, Bain & Company)の業績を整理してみた。 まず各社の売上(2014年度)について。*1 *2 IBM, A…

グローバル企業はなぜ「従業員重視」に舵をきっているのか?

日本でも、外資系といえばリストラ、と多くの人が思っているように、欧米グローバル企業は年次評価のレーティング(通称パフォーマンスレビュー)を行い、下位10-20%をリストラの対象とする会社が多かった。しかしこの人事評価の仕組みに最近変化が起きてい…

「データ経営」の前にまずマネーボールを観よう

Huluでマネーボールを見つけたので、改めて視聴。これはデータ経営を考える上でとても良い教材。いまや、猫も杓子も、という感じで「データを経営に活用すべきだ」とみんな大騒ぎしている。ただ、経営にデータを活用する上では、優れたデータ分析家を揃える…

はじめに~「中から」見たグローバル経営

Twitterで幸い多くのフォローを頂き、自分の経験や考えをもう少しまとまった文章にしてみたくなり、久々にブログをはじめることにしました。テーマはTwitterと同様に、主にグローバル経営とハイテク産業の動向/経営とします。 まずグローバル経営について。…

プロフィール

Mail: globalbiz7619@gmail.com ※ご相談などお気軽にどうぞTwitter: nori76 1976年千葉県生まれ。 中高は港区の私立男子校。自由でおかしな人がたくさんいる素敵な学校だった。 大学受験に激しく失敗。さすがに落ち込む。 米イリノイ州の大学に交換留学 新卒…