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アクセンチュアが絶好調 16年国内ITサービス市場ベンダーランキング(IDC発表)

IDC Japanが2016年の国内ITサービス市場のベンダー売上ランキングを発表している。

2016年の国内ITサービス市場は5兆4,515億円で前年比成長率は1.4%となっており、成長はやや鈍化してきている。上位陣はおなじみの顔ぶれで、富士通、NEC、日立製作所、NTTデータ、IBMと続く。

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上位5社の過去3年の売上成長率で整理すると以下の通り。富士通が+2.2%と最も大きく、NTTデータ +1.5%、NEC +0.3%と続く。日立製作所とIBMは苦しく、それぞれ-0.9%、-0.5%とマイナス成長になっている。

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この売上上位のリストにはあがっていないけれど、アクセンチュアは非常に好調で、IDCのプレスリリースでも以下のようなコメントがある。

前年比売上成長率が最も高かった大手ITベンダーは、前年同様、アクセンチュアでした。アクセンチュアは、参考資料に掲載した上位7社には含まれていませんが、すべての産業分野で、プラス成長を遂げ、ITサービス事業の全社的な拡大が継続しています。(強調筆者)

この業界にいると、アクセンチュアの好調はやはり聞こえてくるのだが、直近の2017年Q3の業績発表でも、以下のように日本の好調に触れている。

And in Growth Markets, we delivered another excellent quarter, with 13% growth in local currency, led by very strong double-digit growth in Japan, as well as double-digit growth in Australia and Singapore.

次に「成長市場」ですが、現地通貨ベースで前年比+13%とすばらしい実績でした。特に「非常に強く」二桁成長を遂げた日本と、やはり二桁成長となったオーストラリア、シンガポールがこの実績をドライブしてくれました。

上流の戦略からシステムの実装、そしてアウトソーシングまでEnd To Endの幅広い領域で大企業顧客を支援してきた実績と、その経験による産業ごとの知見の蓄積や顧客との関係構築、デジタルやアナリティクス領域への投資、といったことが合わさって、アクセンチュアは当面は力強い実績を継続すると思われる。なお、同様の理由からデロイトやPwCのコンサルティング部門の好調も継続しそう。

一方でIBMは苦しい。IBMのサービス部門は歴史的に自社のメインフレームと紐づく領域が強かったこともあり、そこをAWSをはじめとしたクラウド勢に侵食されているし、自社のソフトウェアやハードウェアを持つことが、「中立」の立場から顧客にサービスを提案できるアクセンチュアやデロイトに比べて逆に弱みになっている部分があると思われる。

なお、マッキンゼーなどの戦略コンサルも含めた業績については、少し古くなるが以下に過去まとめているのでぜひ参考にしてほしい。

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