グローバル経営の極北

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【お悩み】入社4年目27歳。工場の人事として学ぶべきことは?

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よく皆さんからツイッターやメールで相談や質問を頂くことがあります。ご本人の同意をいただきましたので、先日頂いたキャリアについての質問と私の回答を書いてみます(なお、私の回答は加筆修正しています)

当方素材メーカーの工場で人事担当を4年間務めています。今後1〜2年後に本社や関係会社、海外での人事担当で能力発揮することが期待されていますが、今の工場にいる段階、または27歳という今の年齢で学んでおくべきことや意識しておいた方が良い視点などはありますでしょうか。

こんにちは。ミクロとマクロの視点両方を常にもち、またその両者を「行き来する」方法を覚えるのが大事かなと思います。

「ミクロ」の視点とは?

まずは「ミクロ」について。工場の人事を担当されているとのことなので、工場の皆さんに向けた人事施策を考えたり、実行していくのが日々の実務かと思います。なので、まずは、いくら小さな仕事でもそこに真剣に取り組むことが大事ですね。

その時に、工場の皆さんの「生の声」に耳を傾けることが特に大切かと。せっかく工場の中で仕事をしているわけですから、直接色々な役職や地位の人と積極的に話をして、そこで語られている内容だけでなく、皆さんの表情や声のトーンだけでなく、そこに潜む心理にまで思いを馳せることもすごく勉強になります。

ひとつひとつの施策を淡々とこなすだけでなく、それが実行された時に、工場の皆さんの仕事や生活にどんな影響があるかを、実際に話を聞きフィードバックを受けながら、その意味について自分の頭で考えること。それこそは、「顧客の声」に耳を傾ける、というマーケティングでいま最も重要とされている考え方で、これは「人事」においても同じと思っています。

「マクロ」の視点とは?

つぎに「マクロ」について。ご存知のように、製造業においての工場は経営の「根幹」です。工場における生産性が商品の競争力、品質、収益性まで全てを左右します。

より広い文脈では、例えば、そもそも工場をどこに置くべきか、という論点があります。ここ30年くらいの世界のグローバル化の流れは、最適なコストおよびサプライチェーンの模索に企業を向かわせ、中国をはじめとした海外に生産拠点を移管していく流れが続いています。

日本企業も例に漏れず、以下のデータが示すように、1980年代には5%を下回るレベルだった海外現地生産比率は、2015年では国内全法人ベースで25.3%, 海外進出企業ベースだと38.9%まで上昇しています。

 第3-1-2-1図 我が国製造業の海外現地生産比率の実績と見通し

Source: http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2012/2012honbun/html/i3120000.html

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http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kaigaizi/result/result_46/pdf/h2c46kaku1.pdf

工場の人事部門であっても(だからこそ)、こうした「マクロ」の情勢に気を配り、どういった人事施策がこうした潮流に最適なのかを考えることは、ビジネスのスピードや事業の複雑性が増している現代では非常に重要になってきます。

ミクロとマクロを行き来する

そして、最後にミクロとマクロを「行き来する」こと、について。

上記してきたように、ビジネスにはミクロとマクロの要素、日本で好まれる言い方としては「現場」と「経営」の視点があります。

例えば、コスト競争の激化を踏まえて、生産工場のベトナム移管が経営課題にあがってきたとします。生産工場の海外移管は、いま毎日コミュニケーションしている現場の皆さんの雇用に影響があるかもしれない。けれど、製品の競争力を維持するためには、工場移管を含めた経営レベルの意思決定が求められる。

これが、両者を「往復」すること、の意味で、ビジネスではこうした「現場」と「経営」の視点や利害が必ずしも合致しないことが多々あります。しかし、ビジネスを前に進めるためには、いくら難しくとも誰かが「意思決定」する必要があります。

まだご自身は経営の意思決定をする立場ではないと思いますが、想像すること、考えることは自由です。こうした、難しい課題について、自分が経営者もしくは工場長だったらどうするか、そしてそれは日々接している工場の現場の人たちにとってなにを意味するのか、などを普段から考えておくことはとても有益だと思います。

ぜひがんばってください!!