グローバル経営の極北

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身近なことへの「情熱」からはじめてみよう

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最近良く言われるのは、仕事においても「情熱」が重要、ということ。

これは本当にそうで、AIなどの導入でホワイトカラーの業務の自動化が進むと、いかに他の人と「差別化」して付加価値を出せるかが重要になる。

そして、そのエンジンは、対象への情熱だろうと思う。何かにのめり込むことが知識やスキルの習得を早めるし、なにより仕事で必ず訪れる困難を乗り越える上で、強い情熱はそこで諦めずに自分を支えてくれる。

ただ、「情熱が全て」といってもピンと来ない人も多いだろう。そんな情熱を傾けるような「カッコ良い」仕事してないし、と。

でも、別にそんな誰もが羨むような仕事でなくても情熱って持てると思う。

そもそも、誰もが、クリエイティブだったり、事業開発だったり、起業だったり、世間の誰が見ても「カッコ良い」ことに夢中になるわけではない。無理して背伸びしてもそこにはどこか嘘が混じってくる。

例えば「部署の人に役立てることがなにより好き」とか。もしくは「あいつに負けたくない」みたいな嫉妬や競争心でもいい。もしくは「仕訳考えるの楽しい」みたいな身近なものでも。ポジティブでもネガティヴでも、まずは自分の心が自然に「動く」ことを頑張ると道が開けるのではないだろうか。

そういう自分の素直な感情や、身の回りのちょっとしたことから始めて、それを粘り強く継続していくことで、いつの間にか「広い」世界に出ていけることは結構ある。

私にとっても、キャリアのブレークスルーはコンサルタントのリソース管理を担当する間接部門で、「稼働率」の面白さに気づいた時だった。

現場からは、管理の象徴として嫌われがちな「稼働率」だけれど、それはコンサルティングビジネスの根幹となる指標で、そのデータを深いところまで理解することで、事業の構造やあるべき姿を思い描くことができるようになった。それは、経営陣と「経営」について議論し、意思決定する「道」に繋がり、結果として非常に貴重な経験を積むことができた。

次年度計画のプランニングにのめり込み、現場の人のフィードバックを得ながら、稼働率を始めとした経営指標が詰まったエクセルのモデルを朝から晩までいじり、あるべき姿を模索していたある晩。

エクセルの数字から、コンサルタントやエンジニア達の仕事にかける情熱や苦悩、喜怒哀楽の全てが伝わってくるような気がした。まるで「物語」のように。そして、この時感じた、現場の「思い」を経営の文脈でなんとか実現したい、というのが自分を前に進める原動力となった。

その時のことをいつも思い出しながら、目の前の「手に取れる」仕事に情熱を持つことで、それはきっと自分をより広く、深い世界に連れて行ってくれるのではと考えている。

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