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楽しみながら仕事を「やり抜く」コツとは?

  「やり抜く力」を読んでいるけれどやはり面白い

やり抜く力

やり抜く力

 

「人は自分の興味に合った仕事をしているほうが 、仕事に対する満足度がはるかに高い」

「人は自分のやっている仕事を面白いと感じているときのほうが 、業績が高くなる」

マネジメントの仕事をしていていつもぶつかるのは、この「動機づけ」の部分。「この仕事やってて面白い!」という状態にメンバーを持っていけるかが大事なのはわかっているけれど、これは本当に難しい。ほとんどの人は、仕事で「自己実現」したいわけでなくて、ほどほどに稼ぎつつ暮らしていきたいな、というのが普通なのだし。

だから、仕事を「楽しめる」というのは案外難しくて、特に毎日やっている仕事からその「面白さ」を引き出すというのもひとつのスキルと言える。

例えば、私の仕事なら、毎週の稼働率のデータをじっくり眺めてるとコンサルの「生態」が浮かび上がってきてむちゃくちゃおもしろいんだけど、その面白みを共有できる人はとても少ない。

就活でも「好きなものを探そう」というけど、探さなくちゃいけないようなものは「好きなもの」じゃないですよね。好きなものってのは、人になに言われるまでなく、既にやり始めてるわけで。ただ、それを職業に結びつけるまでにはかなりの試行錯誤や覚悟もいるから、そこですよね、論点は。

「やりぬく力」でも、関連する研究を以下のように整理している。

「おとなになったらなにをしたいかなど 、子どものころには早すぎてわからない」
「興味は内省によって発見するものではなく 、外の世界と交流するなかで生まれる」
「興味を持てることが見つかったら 、こんどはさらに長い時間をかけて 、自分で積極的に掘り下げて行かなければならない」

これは非常に面白くて、なにかを「好きである」というのは大事なのだけれど、より大切のはその興味・関心を外の世界に位置づけること、そしてそれを掘り下げること、だということ。

仕事でいえば、どんな仕事でも面白いところはあるので、そこに気づいて自分で工夫して改善して、成果が出てくると、そのループが楽しくてもっともっとはまっていく。ここが分岐点と思う。逆に、この「自ら」はまっていく感覚や経験がない人を変えていくのはとても難易度が高い。

上海から帰国して、マラソンでサブ4を目標に集中して練習したことがあったのだけど、あれは確かに非常に学びが多かった。練習本を読み漁り、毎日の練習にフィードバックしながらタイムをあげていく。最終的に3時間半までタイムを伸ばせてのだけれど、なによりどう「やりきる」のかという点を学べたのが大きかった。

このマラソンの時もそうなんだけど、仕事でも、ポイントは、毎日努力しているんだけど成果が思ったよりはあがらない時に、どこまで我慢できるかなんですよね。そこで我慢すれば後で大きな飛躍が訪れる可能性は高いんだけど、こらえきれない人は多い。

つまり、「やり抜く」体験があると強いのは、成果が出てない時に「焦らない」ことかなと思う。ゴールまでのイメージができているので、まだ中間点でしょ、と動じない。で、試行錯誤しながら粘り強く改善を続けていって、なんとしてでも成果に「たどり着く」。このゴールを手繰り寄せるイメージが重要かと思う。

 他にも面白い論点がありそうなので、読み進めたらまた紹介します。