グローバル経営の極北

グローバル経営の極北

グローバル経営を考える「素材」を提供します

経営

GoogleやTwitterに学ぶ転職者受け入れのコツ

昨日のエントリで触れたHBRの記事では、米企業の新規採用者のOnboardingプロセスについての工夫が多く挙げられていて、実務上とても参考になりそうなのでまとめてみたい。 Google まずはGoogleの仕組みについて。Googleでは、社員の入社日直前の日曜日に、マ…

「どんな状況でも仕事で成果を出すのがプロ」という主張の危うさについて

最近のネットは、成功した起業家や、注目企業で成果を出した人のインタビューや記事に溢れていて、そういった人への憧れや、何かを学び取りたいという皆の思いが強く感じられる。それ自体は特に悪いことではないし、学びを得られることも多いのだけど、一つ…

経営陣が現場で泥まみれにならずに「日本的経営」なんてできないのでは

僕は小売業には明るくないけれど、このインタビューは経営のあり方について示唆を与えてくれる。 まず、玉塚氏がIBM時代に柳井氏に「説教」されたと語るところ。 【玉塚】君は何をやりたいんだと言われました。僕が本当にやりたかったのはコンサルティングで…

Adobeのハーバード・ケーススタディーからクラウド時代の経営変革を考える

Google, Amazon AWS, Salesforceといった企業が切り開いてきたクラウドビジネスはエンタープライズIT産業の風景を完全に変えました。それは単にテクノロジーの進化という点に留まらず、現代の「経営」の基盤にも大きな影響を与えています。 この記事では、シ…

データ分析してみると「人事の常識」は間違ってるかも、というお話

Mckinsey Quarterlyは、経営の最前線のテーマについて幅広く触れた論考が読めるので重宝している。マッキンゼーのコンサルタント自身が執筆しているので、程よく現場感覚もあり、またデジタル化というテクノロジーの大きな流れもきちんと抑えているので、日…

優れたプレイヤーがマネジメントを嫌うわけ

僕は様々な部署のマネージャーとやり取りがあるのだけれど、プレイヤーとして優れた人ほど、マネジメントの立場で数字を管理したり、人を方向づけたりすることを、どこか「純粋でない」仕事と思っているなと感じる時がある。それはそれで一つの見識と言える…

なぜ目標を立てることが成功の秘訣なのか~産業・組織心理学から読み解く

産業・組織心理学エッセンシャルズ 作者: 田中堅一郎 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2011/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今日は最近じっくり読んで勉強しているこの本のご紹介。 経営管理の仕事をしていると、組織や人のマネジ…

「ダメならクビ」がハイテク産業の勢いを支えている理由

いま一緒に仕事をしている事業部長はなかなか含蓄のあることを言うのだけれど、この前こんなことを言っていた。 僕のポジション(シニア・ディレクター)って、運や政治に左右されることも多いから、急にポジション失うこともよくある。それはしかたないのよ…

米投資銀行の「Google化」について

next.ft.com ゴールドマン・サックスの新卒応募が25万人を越えた、というFinancial Timesの記事について触れたい。 まず、この記事の背景にあるのは、アメリカでは金融危機後の規制強化と業績不振、高額報酬への世間からの強い批判、極端な長時間労働、など…

ベネッセ原田社長の退任から透ける「現場の抵抗」問題解決の難しさ

business.nikkeibp.co.jp ベネッセの原田社長が退任を発表した。この日経ビジネスの記事では、彼が就任当時に漏らしたこんなコメントに触れている。 ベネッセの社員は教材作りなどで優秀だが、学級委員タイプでマーケティングや財務などの経営の基本ができて…

パワポ1枚でビシっと決める 経営陣から合意をとりつけるコツとは?

経営陣によるビジネスレビューに参加することが多いのだけれど、いつも気になるのは、パワポで10枚以上になるような資料を作ってくる人たちのこと。しかも、ご丁寧に1枚目はデータの前提や定義からはじまり、その後、一枚一枚彼らの考えるロジックが淡々…

留学生から敬遠される日本企業

「外国人からは「役割や仕事内容が不透明」「能力や成果に応じた人事評価が不十分」「長時間労働」などの声があるという。学生からは「日本の就職活動の仕組みが独特で分からない」との不満も指摘さされた」 最近では、グローバル化の必要性を強調しない日本…

メールでの議論やめませんか?

僕は経営管理を仕事としているので、複数のチームを俯瞰的に眺めてうまくいっているか、なにか問題がないかといつも気を配っている。 そうした仕事をしていると痛感するのは、チーム内もしくはチーム間のコミュニケーションや情報流通が滞ることで全体の生産…

グローバル企業のマネージャーは「経営陣」である

僕が前職の米グローバル企業ではじめて管理職になった時に感じたのは、会社から期待されるステージが一つ上がったなということだった。もっと言うと、マネージャーになるということは経営陣の一人になる、ということだと感じた。 これには「外資系」にいる人…

サイボウズ「ちゃんと赤字になった」の背景とは?

サイボウズの直近の決算は「赤字」だった。青野社長の「ちゃんと赤字になった」というコメントの背景に触れたい。 重要なポイントは、クラウドのソフトウェア企業の多くは「赤字」決算を続けているということ。以下米の代表的なクラウドソフトウェアの企業の…

電通の海外&デジタル事業強化は着々と進行中

電通の新たな買収(カナダのデータ分析のコンサルティング会社)が発表されていた。電通は海外事業&デジタル事業強化に舵を切っている。 そこで、直近の中期経営計画を見てみる。 ◆中期経営計画 “Dentsu 2017 and Beyond” これまでの進捗と今後の展望http:/…

「ムーアの法則」後はどうなるか?- エコノミスト「コンピューティングの未来」

今週のエコノミストの巻頭記事は「コンピューティングの未来」について。いま起きている変化について簡潔にまとめられている。 ポイントはムーアの法則がいよいよあてはまらなくなってきたかも、という点。今後も演算能力の拡大は続くけれど、今までのような…

保育園問題をコンサル経営の視点から考える

こんな記事が話題になっていた。 自治体が株式会社の参入を渋る、という構図自体は大きな課題だが、コンサル事業の経営を見ている身からすると、保育事業は民間事業者の参入を促しても構造的に難しい側面を抱えているのではないかと感じている。 保育園の収…

データが導く新しい「人事」の姿

いま僕が在籍している米企業では毎年従業員サーベイを実施している。最近その結果を見ることができたのだけれど、とても興味深かった。外部ベンダーのクラウドのソフトウェアを使って、エンゲージメントの深さ、マネジメントの巧拙、企業戦略の周知、オフィ…

意思決定することは「仕事」です

この記事(なぜグローバル企業の経営陣は「定時退社」するのか?)はありがたいことに多くの人に読んでもらっており、PVは60,000を越えて、Facebookのシェアも5716までいった。 この記事で言いたかったことの一つが、「意思決定は仕事である」ということ。前…

海外事業のマネジメントに苦しむ日本企業

楽天が最新の決算で電子書籍のKoboをはじめとした海外事業の減損を行ったことが話題になっていた。 ネットでは、海外事業の苦戦を「英語公用語」化と結びつけて揶揄する人も多くいたけれど、当然ながらそれは本質的な部分ではない。 僕は楽天の事業領域には…

「決められない」シャープの迷走を笑えない理由

シャープの経営が迷走している。産業革新機構による支援でほぼ決まりとなっていた状況から、鴻海が7,000億円と機構案を大きく上回る金額を提示し、一点鴻海案が有力と噂されている。こうした事態に対して多くの人がシャープの経営の「稚拙」さを指摘(揶揄)…

リーダーシップとはなにかを教えてくれた部下のRさんのこと

僕がマネージャーとしてまだまだ未熟だった頃、人事担当役員からこんな言葉をもらった。 「私はメンバーを自分の子供だと思ってるのよ」 その役員は非常にアグレッシブで、推進力のある人だったので、この言葉を聞いて意外な印象を持った。そして正直「子供…

なぜグローバル企業の経営陣は「定時退社」するのか? 

グローバル企業の経営陣の退社は早い。突発的な事態がなければ、定時の6時にはまず帰る。なので、遅い時間にミーティングが入ったりすると、露骨に不機嫌になったりする。これはなぜだろうか? 一番大きな理由は、コンディションが悪化すると「意思決定」の…

グローバルの新卒人気企業ランキングにみる、日本でのコンサルキャリア構築の難しさ

Universum Globalの「新卒」で働きたい会社ランキング(主要12カ国*1の合計20万人の学生対象)によると、Business分野の結果は以下のとおりになっている。Googleがやはり1位だが、2位 EY, 3位 PwC, 4位 KPMG, 5位 Deloitteと上位を会計系ファームが独占して…

総合商社マンKさんのこと。そして「商社冬の時代」は巡るのか?

Sさんのことについて書いたら、メーカーで海外営業をやっていた時のことを懐かしく思い出した。その頃の数少ない同世代で、楽しく一緒に仕事した総合商社のKさんについても書いてみたい。また、「総合商社の中の人」のトイアンナさんによるインタビューを読…

僕のメンターだったSさんのこと

僕のメンターだったおじさんの話をツイートしたら、結構反響があった。もう少し書いてみようと思う。その人はSさんとする。 僕が新卒で入社したのは創業100年を超える老舗のメーカーで、配属は新規事業の海外営業部だった。そこでメンターとしてついたのがS…

経営における「コミュ力」を考える

このツイートがかなりバズった。「コミュ障」という言葉を出したせいで、「死ね」みたいなリツイート貰ったり楽しいことになりましたが、そこは本意ではなく、、 ちなみに、「俺コミュ障だし」みたいな人多いけど、仕事でのコミュニケーションは、サークルや…

アメリカの法人税は日本より高い、はずなのに、、、

グローバル企業による「租税回避」が問題になっている。直近ではGoogleが2005年以降の税金滞納分1億3千万ポンドを追加納税することで英税務当局と合意した。少し前になるがスターバックスも同様の批判にさらされ、「自主的に」2000万ポンドを納税している。…

P&G日本法人の売上高比率はわずか3% - 帝国データバンク&経済産業省の「外資系企業動向調査」を読み解く

日本における「外資系」企業の動向はなかなか掴みにくいけれど、面白い調査を見つけた。まずは帝国データバンクの「外資系企業動向調査」(概要:企業概要データベース「COSMOS2」に収録されている 144 万社のデータ を基に、外国資本が発行済み株式の 25%…

「IBMグローバル経営層スタディ」からの示唆~テクノロジーが変える現代の経営(1)

昨年11月に公開されたものだけれど、IBMが定期的に実施している経営者層へのインタビュー調査の2015年版についてのご紹介。2003年から実施されている調査で、過去はCEO Study, CFO Studyなど役割に応じた調査だった。2013年からは全ての経営者層(CEO, CFO, C…

日本企業で「グローバル経営」を学ぶチャンスとは

日本経済は依然として非常に規模が大きく、顧客の要望は厳しく競合との争いも熾烈。さらに教育水準も高く、人材の質は平均的に高い。ということで、日本企業に勤めることで、巨大な市場規模と洗練度を誇る日本市場での戦い方を学べる。もしくは、輸出が中心…

P&Gの社長交代からグローバル経営を考える

今日はこのP&G日本法人交代の記事について。 toyokeizai.net この記事自体は踏み込みが浅くあまり参考にならないけれど、このニュースからはIBMなどと同様に、米の伝統的大企業の苦戦の構造が透けて見える。 1. 既存のコア事業のライフサイクルは先進国では…

クラウドがもたらす法人向けビジネスの地殻変動

先日書いたブログ記事で、IBMがコンサルティング領域でひとり負けしていることを取り上げた。IBMは、高付加価値分野はアクセンチュア、デロイト、PwCに、価格勝負なところはタタ、インフォシスなどのインド勢に、両面から攻めこまれ苦戦している状況への解が…

日本企業のグローバル経営移行へのヒント~武田薬品、日立製作所、JT

金曜の夜なので軽めにインタビューの紹介。武田薬品の長谷川会長、日立製作所の中西会長兼CEO、そしてJTの経営企画部長のインタビューは、日本企業がどうグローバル標準の経営モデルと向かい合うかの好例。「日本人」であることにこだわりすぎること、グロバ…

みんな大好きコンサルティング各社の業績を整理してみた

Twitterでもコンサル関連の話題は拡散しやすく、みな興味を持っていることがわかる。そこで、コンサルティング各社(IBM, Accenture, Deloitte, PwC, McKinsey, BCG, Bain & Company)の業績を整理してみた。 まず各社の売上(2014年度)について。*1 *2 IBM, A…

グローバル企業はなぜ「従業員重視」に舵をきっているのか?

日本でも、外資系といえばリストラ、と多くの人が思っているように、欧米グローバル企業は年次評価のレーティング(通称パフォーマンスレビュー)を行い、下位10-20%をリストラの対象とする会社が多かった。しかしこの人事評価の仕組みに最近変化が起きてい…

「データ経営」の前にまずマネーボールを観よう

Huluでマネーボールを見つけたので、改めて視聴。これはデータ経営を考える上でとても良い教材。いまや、猫も杓子も、という感じで「データを経営に活用すべきだ」とみんな大騒ぎしている。ただ、経営にデータを活用する上では、優れたデータ分析家を揃える…