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ビジネス系オススメ情報まとめ!経営学からスタートアップ指南書まで

定期的にビジネス系の情報でおすすめなものを紹介していきたいと思います。今日は、経営学輪講、スタートアップ指南書、そしてアントレプレナーシップの講義、の紹介です。

赤門マネジメントレビュー経営学輪講

AMR経営学輪講

この前お会いした経営学の博士課程の方に紹介頂いたサイト。東京大学の「赤門マネジメントレビュー」内にあり、大学院の「経営文献購読」の授業をもとに、海外の経営学に関する論文の紹介および批評的な「読み」を行った論文がたくさん紹介されています。

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実際の経営でも使えそうな面白い論点のものが多いですし、どれもPDFで「無償」でダウンロードできます。

経営学は経済学と比べてなかなか全体像がつかみにくいですが、こうして論点ごとに専門家の知見に触れることで、実務への応用についてアイディアも沸いてきます。

さっと眺めて面白そうなものを5つピックアップしてみました。皆さんもぜひ面白そうな論文を読んでみてくださいませ。

なぜイノベーションは拡散しないのか?:専門家組織のもつ境界―経営学輪講 Ferlie, Fitzgerald, Wood, and Hawkins (2005)

 ■官僚制はイノベーションを阻害するのか?―経営学輪講 Thompson (1965)

専門職および専門職集団におけるステータス決定要因―経営学輪講 Abbott (1981)

変革力マップとInnovator's Dilemma: イノベーション研究の系譜―経営学輪講 Abernathy and Clark (1985)

デザインの新奇性は製品の売り上げに貢献するのか?―経営学輪講Talke, Salomo, Wieringa, and Lutz (2009)

SaaS スタートアップ 創業者向けガイド

SaaS スタートアップ 創業者向けガイド - セールスフォース・ドットコム

セールスフォースの創業時からのメンバーを中心にまとめられたSaaS(Software as a Service)のスタートアップを作るための「指南書」です。私は英語版を読んでいたのですが、いまは日本語訳まで提供されておりさらに利便性が増しています。

これは本当にすばらしい内容で、サブスクリプションモデルがなぜ画期的なのか、というビジネスモデルの説明からはじまり、売上10億円企業を作るための必要なステップ、成長のためにどう営業組織を作りあげていくか、などなど実例を踏まえながら具体的に説明されていますし、カスタマーサクセス、というSaaSを特徴づける重要な概念についても触れています。

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個人的には「サブスクリプションモデル」がなぜ経営モデルとして「画期的」なのか、というのをきちんと理解するのは、現代の経営で非常に重要と考えており、その部分の記述には頷くことしきりでした。

アドビの経営変革についての記事でも、この「サブスクリプションモデル」の重要製については触れているので、ぜひ読んでみてください。

一方で、クラウド+サブスクリプションモデルの場合、契約期間内に顧客が製品に満足しているかが契約更新を決めます。なので、販売者側にも、普段から顧客が満足する品質やサービスを提供し続けるインセンティブがあるわけです。

この構造に加えて、クラウドは頻繁な製品アップデートを可能にしますから、顧客の要望にきちんと耳を傾けながら、短期かつ頻繁なアップデートでその要望を叶えていくことが可能になります。

Amazon AWSが圧倒的な成功を収めているのも、基本的にはこの構造によります。クラウド、というとテクノロジーの観点から語られることが多いですが(またそれが重要なのは間違いないのですが)、より本質的には上記のように「顧客価値の向上」にごまかしなく向かい合える、というのが実は一番重要なポイントです。

また、これはアメリカのハイテク業界のいいところなのですが、 この「指南書」のように、成功の秘訣や皆が陥りがちな失敗を、具体的な自らの体験を踏まえ、しかもそれをモデル化してオープンに伝えることが当たり前になっています。

こうした「情報共有」の文化が、シリコンバレーで次々と新しく、画期的で、世界に通用する企業が生まれてくる「エコシステム」を支えているんだなと、改めてこの資料を見て思います。

アントレプレナーシップ

次は、このブログではおなじみCourseraの紹介です。USA TodayのMBAランキング1位のペンシルベニア大学ウォートン・スクールの「アントレプレナーシップ」の授業です。

オススメのメールが送られてきたところで、まだ私も受講していないのですが、どれも面白そうです。

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一つ目は「機会を見つける」です。良いアイディアをいかにビジネスの「機会」に変えていくか、について概説されています。

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二つ目は「スタートアップを立ち上げる」です。「機会」を見つけて、プロトタイプまで作ったら、次はいよいよスタートアップを「立ち上げる」必要があります。組織をどう作るか、その注意点はなにか、というところまで詳しく触れています。

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三つ目は「成長戦略」です。事業を立ち上げて最初にぶつかる壁は、ビジネスをどう「スケールさせるか」です。これについて、売上機会をどう発掘するか、顧客をどう獲得するか、需要をどう予測するか、などノウハウについて具体的に触れています。

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四つ目は「ファイナンスと収益性」です。事業を成功させるには「ファイナンス」の側面は非常に重要です。損益モデルをどう組み上げるか、エンジェル、VC、クラウドファンディング、など投資をどう呼び込むか、などについてノウハウがまとめられています。

これらはSpecializationの形で提供されており、月額79ドルですが、Certificationが必要なくそれぞれのコースを受講するだけならば無料です。そのやり方は以下の記事でまとめているので、参考にしてみてください。

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