グローバル経営の極北

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世界中の名門大学の講義を無料で受講できる素晴らしいCourseraの世界

Courseraは無料でアメリカをはじめとした世界中の有名大学の講義を受講できる素晴らしいサービス。いい講義を見つけると登録して、つまみ食い的に空いた時間に講義ビデオを見ている。どれも実際に大学で実施されている授業をもとにしているので、講義内容はよく構造化されており、その分野について一通り学ぶことが可能。いくつか気に入ったものをご紹介。

まずはMBAランキングでも常にトップレベルを争うペンシルバニア大学ウォートンスクールの基礎(Introduction to)講義について。MBAでまず習うマーケティング、ファイナンス、オペレーションそれぞれについてコースがある。

Introduction to Marketing by Barbara E. KahnPeter Fader

マーケティングの基礎。5週間の講義でBranding, Customer Centricity, Go To Market Strategy, Applied Marketingについて。

Introduction to Financial Accounting  by Brian J Bushee

財務会計の基礎。4週間の講義でBalance Sheet, Income Statement, Cash Flows, Ratio Analysisについて。簿記の基礎レベルから始まるので初学者にはいいかも。

 Introduction to Operations Management by Christian Terwiesch

オペレーションの基礎。4週間の講義でProcess, Productivty, Qualityについて。いかにも「オペレーション」といった感じの教授。

Introduction to Corporate Finance by Michael R Roberts

コーポレートファイナンスの基礎。4週間の講義でTime Value of Money, Interest Rates, Discounted Cash Flow Analysis, Return on Investmentについて。私は未受講だけど、さっと見た感じでは他科目と同様よく練られていそう。

ちなみに、Courseraも有料モデルを模索していて、いくつかの講義をカテゴリーで整理して課金するモデルもある。このウォートンの4講義をバンドルしたものは、Solve Real Problemsというタイトルで提供されている。

ウォートンと並びMBAトップ校のノースウェスタン大学ケロッグスクールのオペレーションについての講義もある。

Scaling operations: Linking strategy and execution by Gad Allon, Jan A. Van Mieghern

これはとてもオススメ。オペレーションのフレームワークが紹介され、それをもとに、例えばシャープの堺工場への1兆円投資など具体的な事例を分析しながら、オペレーションにおける戦略と実行のモデルを学べるようになっている。オペレーションは経営の上で基礎となる部分なので、広く経営に携わる人にとって有益かと。

次に経営戦略について。

Foundations of Business Strategy by Michael J. Lenox

このヴァージニア大学の講義は良かった。7週間の講義。ポーターのFive Forceからはじまり、Firm Capabilities, Competitive Positioning, Firm Scopeと続く。それぞれの経営戦略モデルの概観を事例を使いながらうまく説明していて分かりやすい。

 このヴァージニア大学の経営戦略に関する講義もBusiness Strategy Specializationとしてまとめられている。

Steer Your Business to Success by University of Virginia 

このバンドルは、上記で紹介したFouncations of Business Strategy以外にAdvanced Business Strategy, Business Growth Strategy, Strategic Planning and Executionの合計5講義をバンドルしている。なお、このバンドルのページからだと有料講義しか選べないので、それぞれの講義を検索すると無料講義を受講可能。

次は経済学。

経済学については私は受講したものがないのだけれど、こちらについてもイリノイ大学アーバナシャンペーン校の講義がバンドルされたものがあるのでご紹介。ちなみにこの大学は私が交換留学した大学でとても懐かしい。ど田舎にあって周りにはなにもないけれど、授業の質は高くとてもいい大学。

Business Tools for Successful Execution by University of Illinois at Urbana-Champaign

ミクロ経済学とマクロ経済学の講義をカバーしており、ミクロはConsumer and Producer Behavior, Markets and Allocations, マクロはMacroeconomic Variables and Markets, Policies, Institutions, and Macroeconomic Performanceの各講義。あとは統計の講義もある。

次にデータサイエンス。

今注目の領域なので充実している。これもData Science Specificationとしてバンドルされたジョンズホプキンス大学の講義がある。

Launch Your Career in Data Science by Johns Hopkins University

こちらは充実の9講義。The Data Scientist’s Toolbox, R Programming, Getting and Cleaning Data, Exploratory Data Analysis, Reproducible Research, Statistical Inference, Regression Models, Practical Machine Learning, Developing Data Products。この中でRの講義をさらっと見たけれど、基礎からきちんと教えてくれる感じで有益だった。

これ以外にもたくさんあるけれど、名門スタンフォード大学の機械学習の授業もある。未受講だけれど是非きちんと受講したい講義。

Machine Learning by Andrew Ng, Stanford University 

MBAや経済学に比べるとロースクールの授業は少ないのだけれど、Twitterで紹介したネゴシエーションの授業はとてもよい。

Successful Negotiation: Essential Strategies and Skills by George Siedel

ミシガン大学ロースクールの教授によるもので、非常によく練られた構成で交渉の基礎から理論、実践まで学べる授業。教授の説明も簡潔で分かりやすく、また癖のないゆっくりした英語で講義してくれているので、語学の勉強の意味でもよい。自分の仕事ではネゴシエーションのスキルは鍵なので、その点においても実践的でとても参考になっている。

以上主にビジネス、経済、データサイエンス系についてのご紹介。これ以外にも、自然科学、社会科学、人文科学全ての領域でどんどん講義が追加されているので本当に素晴らしい。きっちり講義のビデオを全て見たり、テストを受けたりしようとすると、社会人は時間の制約もあり難しいけれど、シラバスを眺めて、面白そうな講義ビデオを見るだけでも参考になる。