仕事の持つ物語性について
- 作者: クリストファー・ボグラー,デイビッド・マッケナ,府川由美恵
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本はとても示唆的。それは単に、創作に役立つ、という側面だけでなく、我々の人生自体が、どういう物語を外面/内面共に選びとって、そこをどう潜り抜けて、何を掴むのか、という構造のもとにあることに気づかせてくれたから。こうした外面/内面の「旅路」における一連の行為自体が人生なのではと最近思っている。
エッセイも、小説と並んで
最も売れないジャンルの本です。先週会った編集者さんは
「今はビジネス書ばかりが売れて、純文学やエッセイは、
アマゾンの30位以下にいかないと見つけられない」とも言っていました。
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はあちゅうが「編集者から最近はエッセイは売れない、とにかくビジネスものしか売れないと言われて(エッセイがある好きだから)残念」と話していたのが印象に残っていて、これは、ビジネスが、物語の神話的構造を外面/内面共に体現しやすい舞台になっているからではと思っているところ。
つまり、日常から冒険への踏み出し、賢者との出会い、試練との闘い、仲間との協力、死と再生、試練の乗り越えと帰還、等々の神話構造的要素はビジネスに色濃くあるし、例えば長時間労働の問題も、こうした物語に人々が没入するが故に起こるという側面は色濃くあるかと。その意味で、古賀さんのこれはすごく鋭いと思う。
愛の日記 @ Drivemode | ドラクエ人生論 http://yokichi.com/2011/05/post-315.html
良かれ悪しかれビジネスが我々の人生に占める比重は大きくなっていて、が故に、そこでどんな「物語」を生きるのか、というのが人々の強い関心になっている。ここは結構重要な論点で、いかに長時間労働を是正していくか、男性の育児参加をどう高めていくか、育児への社会的支援をどう深めていくか、といった現在の日本で議論となっている課題も、こうした仕事の持つ物語性への理解がないとうまく進まないかなと思う。