ランチを食べながらの「経営会議」がうまくいっている理由
数ヶ月前にふと思い立って、コンサル部門のトップ、私、私の部下、の3名でお昼ご飯を食べながら、カジュアルな雰囲気で経営課題を話し合って、できることはすぐ実行に移していく、というのを隔週でやっているのですが、これがとてもいい感じに機能してます。
別に難しいことはしていなくて、それぞれが考える「経営課題」を持ち寄って、自由に議論するだけ。ただ、「枠」を作らない、というのはポイントで、それぞれが本質的な課題だなと考える課題を話すこと、そして、すぐ「実行」につなげることを意識しています。
実際に具体的な成果も上がっていて、例を挙げると、組織の「動機づけ」を強める、採用のパイプを強化する、新領域のパートナーを作る、といった施策を、外部企業の力も借りながら進めていてうまく機能しています。
なぜうまくいっているかを考えてみると、まず言えるのは「場の設定」。社内の会議室でやっているんですが、好きなお昼ご飯を買ってきて話し合うので、なんだか楽しい雰囲気になります。また、アジェンダの決まった普段の典型的な「会議」と違うので、かしこまらずに、いつもと違う「頭」でアイディアを出す感じになります。
人間はどうしても「場」の空気に合わせて思考したり、発言したりするので、少ない人数でお昼ご飯を食べながら話をする、というのは実は大切な要素になってきます。
ただ、ランチを買ってきてミーティング、というのは良くある話で、別にそれだけではうまくいきません。そこで重要になるのは、参加者が「同じ方向を向いている」ということ。
「同じ方向を向いていない」人同士の話というのは、どうしてもその「すり合わせ」自体に手間がかかってしまう。結果として「本質的な」話になかなかたどり着かない。これはすごくムダです。
なので、参加者それぞれが経営の「あるべき姿」のイメージを持っていて、その「ベクトル」が合っているか、というのは、議論の効率を高めてくれるし、なにより課題の本質的な部分までまっすぐ「降りていく」ことを可能にしてくれます。
そして、さらに理想的なのはそこに「熱」があること。それぞれの持っている「こういう組織にしたい」「こんな事業を作りたい」という個人的な思いや情熱こそが大事なんだと最近改めて思います。
俗に言う「外資系」では、それぞれの仕事の役割は明確に「定義」されていて、その枠組をもとに求められる成果を出せるかがなにより重要です。
ただ、「デジタル」化が急速に進むいまのビジネスでは、決められた役割で成果を出すだけでは不十分で、その領域を越えたところ、もしくは他の領域との接点で、常に新しい価値を生み出すことが重要です。
そして、そういう価値創造を支えるエンジンが、個人の「情熱」なんだと思います。会社が決めたルールや仕組みに従うだけを良しとしない思いの強さ。
こういう「熱」を3人全員持っているから、このランチを食べながらの「経営会議」がうまくいっているのかなと思っています。
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