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「ムーアの法則」後はどうなるか?- エコノミスト「コンピューティングの未来」

今週のエコノミストの巻頭記事は「コンピューティングの未来」について。いま起きている変化について簡潔にまとめられている。

ポイントはムーアの法則がいよいよあてはまらなくなってきたかも、という点。今後も演算能力の拡大は続くけれど、今までのようなペースでの拡大は難しそう。だが、3つの新たなトレンドが台頭してきており、これらがコンピューティングの未来を規定しそうとこの記事は論じる。

1つ目はソフトウェア。

GoogleのAlphaGoがディープラーニングの活用で囲碁のトップ棋士に勝利を収めたように、ソフトウェアのアルゴリズムの活用がハードウェアの限界をカバーしていく。

2つ目はクラウド。

クラウド技術の進展が、「スタンドアローン」型で見られたようなリソース制約を解消しつつあり、スマートフォン、GPS、モーションセンサーといったデバイスから入手できる情報と組み合わせて、ネットワーク全体での性能は拡大していく。

3つ目はアーキテクチャ。

半導体が、クラウドコンピューティング、ニューラルネットワークといった特定の用途に応じて設計されるようになり、しかもそれはクラウド側に実装される。よって、個別のデバイスのパフォーマンスに依拠するモデルから脱却していく。

では、これらの変化の影響はどうなるか?

 企業はPCの更新頻度を落としたり、自前のメールサーバーを持ったりしなくなっており、今後はクラウドへの「コネクティビティ」がキーとなる。

ハイテク業界にとっては、さらなるクラウドへの投資が鍵となるため、Amazon、Google、Microsoft, Alibaba, Baidu, Tencentといった現在市場を占有しているプレイヤーが強く、今後も彼等がスタートアップを飲み込みながら力を増していく。