グローバル経営の極北

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電通の海外&デジタル事業強化は着々と進行中

電通の新たな買収(カナダのデータ分析のコンサルティング会社)が発表されていた。電通は海外事業&デジタル事業強化に舵を切っている。

そこで、直近の中期経営計画を見てみる。

◆中期経営計画 “Dentsu 2017 and Beyond” これまでの進捗と今後の展望
http://www.dentsu.co.jp/ir/data/pdf/201512EAPREJ2.pdf

海外事業比率は54.3%と既に5割を越えている。デジタル比率も34%と順調な伸び。

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買収をてこに2012年に15%だった海外事業比率を2015年で54%まで急速に高めた。この売上拡大は英イージスの買収が大きく、2012年に4000億円で買収している。

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イージス買収以降も海外のM&Aを継続しており、2013年4月以降で合計£760Mで76件、デジタル比率43%となっており、1件あたり£10Mと比較的小さめの買収をデジタル領域で行っていることがわかる。これはグローバル企業の買収手法で一般的。

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買収先企業は以下の様なものがあり、上記したようにデジタルマーケティング領域の各分野を網羅しようとしているのがわかる。

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オペレーティング・マージン(調整後営業利益÷売上総利益)がグローバルのメガ・エージェントに比べ高いことも強調されている。

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結果として株価は、ここ1年は市場の調整局面に引きずられているものの、5年軸でみると堅調に推移しており、2012年に2000円台だった株価は、直近5500円のレベルまで上がっている。

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