過去40年の年収データが示すアメリカの「分断」
田端氏と山口氏のツイートを踏まえて、こんなツイートをした。
構造としては直感的に理解はしていたとしても、「解雇規制緩和されたとき自分はアップサイドのほうが大きい」と自信を持っている人の割合が、日本全体で見れば少なく、マクロの世論としては規制緩和に向かわないのだと思います。推察ですが。 https://t.co/9fKOc9UfwO
— 山口義宏@インサイトフォース (@blogucci) 2016年8月17日
まさにそうで、解雇規制が「弱い」アメリカは、ここ20年で年収上位層は異常な程報酬水準があがり、中間層はほぼ変わらず、最下位層は逆に下がった。GDPは成長したにも関わらず。まあ解雇規制より、過度の金融化が原因というのが最近の論調ですが。
— とくさん (@nori76) 2016年8月17日
これは「クルーグマン教授の経済入門」でクルーグマンが示していた数字の記憶をもとに書いた。実際はどうなのかなと思い、アメリカの年収階層別の統計についてググると、アメリカ統計局のデータを見つけた。1967年から2011年のアメリカの年収分布別の年収推移(インフレ調整済み)。
これはなかなかすごくて、上位5%は+66%、上位10%は+62%と大きく増加しているのに対し、ミディアン(50%)は+19%, 下位10%については+25%と非常に低い伸び率になっていて、この40年あまりでほとんど年収が増えていないといっていいレベル。トランプ支持が広がることも頷ける「分断」が存在することに改めて気づかされる。
http://www.cleveland.com/datacentral/index.ssf/2012/09/historical_median_household_in.html
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